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ヒートテック 発熱の仕組み [日記]

最近話題の吸湿発熱素材でできたインナーウエアってありますよね。 たしか去年はユニクロのヒートテックが早い時期に売り切れになって、ヒートテック難民(笑)が出たんですよね。 先日の記念セールでは早朝から行列が出来た・・なんてニュースで報じていました。 実はウチの近所にもユニクロがあるので、広告を見た時、私も並ぼうかと思ったんです。 でも、寒いのでやめました。 寒い朝に並べる人は、ヒートテックなんて必要ないんじゃないか・・・・なぁんて考えてしまったのでした。(笑)
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そして、昨年のユニクロのヒートテックの大ブレークをきっかけに、今年は各社が似たようなものを一斉に販売してますよね。 私がちょっと調べただけでも、こんなにありました。 よく調べればもっとありそうですね。

 ユニクロ  ヒートテック 
 ミズノ  ブレスサーモ 
 イオン  ヒートファクト 
 ヨーカドー  パワーウォーム 
 西友  エコヒート 
 しまむら  ファイバーヒート 
 ワールド  ホットビート 
 アビタ (ユニー)  ヒートオン 
 グンゼ  ホットマジック 

 
ところで、これらのウェアは、人体から発生する水分を吸収して発熱する・・と宣伝している物が多いですよね。 あまり深く考えなければ、へぇそうなんだ、凄いね・・で終わってしまうと思います。 もう少し考える人なら、じゃぁ水をかければすごく暖かくなるのかな・・なんて考えるのでは? 中には試した人がいるかもしれませんね。 でも、きっと暖かくなかったと思います。 もっと考える人は、繊維に生石灰でも塗りこんであるのかな・・なんて考える人もいるかもしれません。 生石灰に水を加えると、発熱反応を起こしますからね。 でも、仮にそういった水との化学反応による発熱だったら、洗濯したら終わりですよね。

となると、発熱の仕組みはいったいどうなっているのか・・という事になりますよね。 で、よくよく考えてみたら、気化熱の逆の反応熱(凝縮熱)の事を言っているだと気づきました。 皆さんご存知の通り、気化熱とは水分が気化する際、そこから奪われる熱の事。 いわゆる打ち水による冷却効果の事ですね。 注射する時、アルコールを腕に塗るとヒヤッとするあの感じ。 要するに、化学変化に伴う発熱ではなく、単純に液体が気体に変化する物理現象による熱エネルギーの変化。
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で、凝縮熱とは、水が蒸発する時とは逆の反応で、気体の水(水蒸気)が、液体に変化する際に発生する熱の事。 普段の生活の中では、あまりこの現象を経験する事は少ないと思いますが、強いて言えば霧のでる朝は生暖かい日が多いのも、この熱によるものだと思います。 ちなみに、この凝縮熱は気化熱の逆の反応ですから、気化熱で奪われる熱量と同等量の熱量を出す事になりますよね。(エネルギー保存の法則) 夏の暑い日に、打ち水をすると付近の気温が1~2度下がるように、意外に 水⇔水蒸気 の変化に伴うエネルギーの移動量は大きいと言えると思います。

要するに、ヒートテックなどが発熱する仕組みは、体から出た水蒸気をウェアの繊維が吸着し水分に戻る際に気化熱と同等量の熱を発生するという仕組みですね。 繊維が保持する水分量は僅かでも、気体⇔液体 によるエネルギーの移動量が意外と大きいので、温度変化を感じるのでしょう。

となれば、別に特殊な繊維でなく、普通の木綿やウールなどでも同じ現象がおきるのでは? もし、これらのウェアの繊維と木綿やウールと差があるとすれば、繊維が保持できる水分量の違いですよね。 これは、繊維を出来る限り細くして同じ重量でも表面積を多くしたほうが有利ですよね。 あるいは、繊維の形状が星型の様な感じでも有利。

ちなみに、繊維はいくらでも水分を保持できるワケではないので、ウェアの内側で吸着した水分は毛細管現象でウェアの外側に移動し、そこで蒸発するワケですよね。 そして、蒸発する際には凝縮熱と同じだけの熱量が奪われ温度が下がるワケです。 となると、ウェアを着てそのままでいれば、どんな素材であっても、いずれ発生する熱量と吸収される熱量がつりあう(平衡状態になる)ワケで、特殊な繊維の物が特別暖かいとは考えにくいです。 もし、差があるとすれば、水分保持能力の高いウェアの方が、着用した直後だけは、より多く凝縮熱が発生し、その分だけより暖かく感じると言えるのだと思います。 逆に言えばそれだけ。 この繊維で出来たウェアを着ている間は、他の繊維の物と比べて、吸湿発熱分だけ常に暖かいというのは大いなる勘違い

まぁ、水分保持能力の高い繊維は、繊維自体がより細いとか、表面に凹凸が沢山あるはずですから、空気の層を保持しやすいのも確か。 これらの繊維を使ったインナーウェアがより暖かく感じるのは、そっちの効果の方が高いんじゃないでしょうか。

各社の宣伝をみてると、ウソではないのですが、なんか消費者の勘違い・誤解を招く様な表現になっているのが、チト気になりますね。 ちょうと、コラーゲン入りをうたう健康・美容食品などと同じですね。 コラーゲンに関する誤解に関しては、福岡伸一先生の本を読むと面白いかも。 まぁ、世の中よく見回してみれば、インチキエコ製品、ダイエット用品をはじめ、そんな物ばかりですけどね。(笑)

あ、そうそう、ネット上をウロウロしてたら、ちょっと古いのですが、こんな記事がありました。 なかなか面白いです。


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