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薬のネット販売禁止? [日記]

ご存知の人もいると思いますが、厚生労働省がネットでの薬の販売を事実上締め出そうとしていますよね。 これってなんか安易な政策のように思えてなりません。 あ、あらかじめ言っておきますが、私はネット販売推進派の意見をそのまま認めろ・・と言っているのではありません。

ネット販売推進派の言っている事も、規制派の言っている事も、理解できるのです。 どちらが良いのか決め手にかけ、安易に一方の言い分をそのまま選んでしまうのは危険だと思っています。 実際、両者の主張の本音は自分のビジネスモデルを有利にしたいだけで、真に消費者の事を考えているとは思えません。
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楽天などネットビジネスで食っている業者は、消費者の利便性が悪くなる・・という理由で反対していますが、本音は、ビジネスの幅が狭くなるのが困るだけですよね。
一方、大手ドラッグストアチェーンなどは、薬は対面販売でないと危険・・と言っていますが、本音はネット販売に奪われた顧客を取り戻したいだけ、としか思えません。

また、双方が指摘している、相手方の問題点も理解できるのです。

ネット販売推進派は、ネット販売が規制されれば、田舎などに住んでいて近所に大きな薬屋さんが無く、希望の薬を手に入れるためには、車で何十分も走って街まで出なければ手に入らない、という話はその通りだと思います。もしその人がお年寄りの一人暮らしや子連れのシングルマザーだったら、体調の悪い体で街まで出なければならず、これはあり得ない話です。 ネットでも早いところは、注文した翌日には届きますから、調子が悪いな・・と思ったら早めに注文すれば良い話です。 現実には、前回使った残りが数回分だけ残っている事もあるでしょうし。 ネット購入が規制されたら、切実な問題に直面する人も出てきますよね。 

一方、ネット販売規制派が言う、”対面販売でないと消費者が危険な薬を選んでしまう”、という話も、ある程度理解できます。 ただし、薬を買う時、ちゃんと薬剤師さんが適切な薬を選んでくれているのならば、という前提でです。 現実問題、現在ドラッグストアで一般薬を買う時って、その他のトイレットペーパーや洗剤などと一緒に精算しますよね。 そしてレジにいるのは、薬剤師さんでは無く、ただのパートの人だったりします。 その人が、実は薬剤師さんなのかもしれませんが、カゴの中の品物を精算しているだけなら、普通の人と同じですよね。 この薬は、XXな飲み方をすると、場合によってはXXな副作用がでますよ・・なんてレジで説明している姿は一度も見たこと無いです。 これが、ちゃんと対面販売のメリットを生かして、丁寧に説明してくれるのであれば、ネットには無い大きな利点だと思います。 対面販売なら消費者の顔が見えるので、ネットでは気づかない小さな変化や問題点にも気づきやすいでしょうから。

ですので、もし本当に対面販売でないと危険だと言うなら、販売業者はその様にちゃんと販売してほしいです。 開店時間が長く、店に薬剤師がいない時間帯がある場合には、その時間は薬の販売は行わないとか、薬と一般商品のレジは完全に分けて、薬の精算は薬剤師以外は行わない等の仕組み必要だと思います。 対面販売が重要だと言うわりには、実態は穴だらけの売り方になっていると思います。 店に資格保持者がいるだけでは意味がありませんよね。

ちなみに、こちらのニュースには、市販薬での副作用の事例が載っています。 もし、対面販売以外認めないとした場合、この副作用が出てしまった方に、この薬が販売される可能性はゼロになるんでしょうか? 市販薬でも、非常にまれにこういった副作用がある・・との事ですが、それを言っていたら、おそらく他の薬も販売できませんよね。 どんな薬でも、多かれ少なかれ副作用はあるのですから。

それに、薬剤師さん経由で薬を買って、めったに起こらない副作用が出た場合、薬剤師さんは何か保障してくれるんでしょうか? そんな事無いですよね。 実際問題、もし私が薬剤師で、私経由で売った薬で副作用が出て、その保障をしろといわれても、そんな保障はできないです。 最終的に客が勝手に選んだ薬で起きた副作用で、薬剤師の責任を問われていては、怖くて仕事ができません。 もしそうなったら、医師の処方薬以外売らないと思います。 もちろん副作用が出た場合の責任は医師にとってもらいます。 結局、最終的には自己責任なんだと思います。

また、ネット販売は安易に薬が買えすぎる・・という意見もあります。 確かにネットは好きな時間に誰の目にも触れる事無く買えますから、店では買いにくい薬(性病薬、妊娠検査薬、養毛剤、水虫薬・・)も手軽に買われていると思います。 でも、ネットショップでも店によっては、結構詳しく薬について説明してくれる所もあります。 街中のいい加減なドラッグストアで買うより、ネットの優良店の方が安心感があるのも確か。 

本当に薬剤師との対面販売でないと危険だと言うなら、コンビニなど薬剤師のいない店でも薬の販売が可能だというのも変な話です。 何の説明も無く、薬とティッシュが一緒に精算されるドラッグストアもおかしい。 コンビニで素人が販売するのと、ネットで薬剤師がきちんと対応して販売するのでは、どっちが良いか一概には言えないと思います。

結局、今回厚生労働省がネット規制の方向に傾いているのは、そちらの方が天下り先が多いからなんでは? 国民の安全や利便性を考えての政策というより、天下り先の要望だから・・というのが本音のように見えてしまいます。

こんな時、消費者庁が出てきて消費者の視点で、上手に仕切るのが彼らの本来の仕事だと思うのです。 でも、なぜか消費者庁がやった事と言えば、こんにゃくゼリーの販売を止めただけ。

結局、私の結論は、処方薬に近い1類は薬剤師との対面販売のみとし、コンビニなどでも販売が許される効き目の緩やかな2類、3類はネット販売も認めても良いんじゃないでしょうか? もちろん野放し状態は困るので、ネット販売の場合には、なんらかの現実に実行可能な条件つきでも構いません。 ”実行可能な”条件・・・と書いたのは、そうしないと事実上実行できない条件をつけてくるからです。 それと同時に、いい加減な対面販売のドラッグストアにも、ちゃんとした対応を求め、それができないのなら販売は許可しないのは言うまでもありません。



 


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